レンレカ

「あれは何？」

だだっ広い黄緑色の原っぱから見渡せる一面の、青。
これはトラパーが無くなった日から、突然俺達の目の前に現れた。勿論、俺はこの青い、青い、大きな水溜まり(その時はそうとしか表現し得なかった)を見た事がなかったので、ただ広がる青に、空いた口が塞がらなかったのを覚えている。
それを考えると、やっぱりエウレカは俺達とは何かが違うのかもしれない。ひたすらに口をポカンと開けるでもなく、落ち着いた様子でその一面の青を見ているのだ。

「海だよ」
「うみ……？」

海、という単語を初めてホランドさんに聞かされた時、なんだか初めて聞いた単語ではないような気かしていた。確かに、見るのも触るのも初めてのはずなのに。
これはなんだかデジャヴの感覚に近いのかもしれない。

エウレカも、もしかしてそんな事を考えているのだろうか。
海の向こう、空と海が混じる水平線のずっと向こうを見つめて、微動だにしない。



漫画版より。びっみょー笑
エウレカは絶対レントンの元に戻ってくると信じてる